無印のお店に行った。株主優待の7%割引券を、このままだと使いそびれそうだったから。せっかくなら、と店の様子も見ておこうと思った。
日曜の午前中。混んでいるかと思いきや、意外と静かだった。客層も、思っていたより幅広い。若い女性が多いかと思えば、60代くらいの男性や、落ち着いた年代の女性もいた。
でも、いちばん印象に残ったのは店員さんたちの変化だった。 私の記憶では、無印の店員は以前は女性が多かった。実際、10年以上前も、ほとんど女性だったように思う。ただ、思い返してみれば、当時から少数ながら男性店員もいた。完全に女性だけ、というわけではなかった。今はむしろ、若い男性の店員が多くなってきた印象がある。
しかも、その男性店員たちの雰囲気が、どこか似ているのだ。 細身で小柄、繊細そうで、静か。優しくて真面目そうで、草食系男子という言葉が思い浮かんだ。言葉にしづらいけれど、「雰囲気のある人たち」だと思った。
女性の店員さんはというと、年齢も体型も雰囲気もさまざまで、ふっくらした人もいればスラリとした人もいるし、神経質そうな人もおおらかな人もいる。だけど男性店員に関しては、どこか「トーン」がそろっているように感じられた。
セルフレジの前で私は少し戸惑った。 何度か使ったことはあるのだけど、慣れない。今回も結局、店員さんを呼んでしまった。対応してくれたのはやはり、あの“繊細男子”のような雰囲気の方だった。メガネをかけて、丁寧で静かな口調。控えめで、でもしっかりサポートしてくれる。
セルフレジだけど、株主優待の7%割引券は店員さんがスキャナーで処理しないと適用されない。つまり、自分ひとりでは完結できない。前は「セルフレジでは使えません」と言われて、人のいるレジを開けてもらったこともある。今はセルフレジでも対応可能になったが、やはり店員さんの手助けは必要。ルールが時々変わるから、また確認してしまった。
私は、できれば全部やってもらえる方が安心だ。でも他の人は、できるだけ自分で済ませたいのかもしれない。「あ、もう大丈夫です」と言うと、店員さんはすっと引いてくれる。気を遣ってくれているのがわかる。その優しさが、なんだか少しさびしくもあった。
ある人が「無印って、空気を売ってるんだよね」と言っていた。 確かにそうだと思う。ものそのものより、佇まいや静けさ、暮らしの気配のようなものが、商品や空間に漂っている。
そして今、そこに立っている人たち──特に男性店員たち──も、その空気の一部になっているのかもしれない。 細やかで、控えめで、でもちゃんと寄り添ってくれる。 彼らの存在そのものが、「無印っぽさ」をつくっているのかもしれない。