忍者通訳の記録帖

気配の通訳・翻訳所。空気、沈黙、すれ違い、視点の跳躍──そしてたまに、自分自身。精度はいつも道の途中。  

#2203 あした

いちばん外の葉から

旅立っていく

ひとつ

またひとつ

何も言わずに

場所をあけて

まん中では

いちばん小さな子どもたちが

あしたになることを

覚えている

誰に教わるでもなく

朝が来るたび

少しずつ

今日をぬぎすてて

新しい葉になっていく

残ることは

まつことではない

しずかに

別の自分へ

育っていくこと

 

#2199 二つの風景

今朝

そこには砂利があった

平らにならされ

光を受けて

静かに広がっていた

けれど

私の中には

まだ家がある

黄色い屋根

煙突

控えめな窓

目立つことなく

何かを主張することもなく

ただ長いあいだ

その場所にいた家

二つの風景を見える

砂利の広場と

もうない家を

一つは今

一つは記憶

重なりながら

どちらも本当に

そこにある