忍者通訳の記録帖

気配の通訳・翻訳所。空気、沈黙、すれ違い、視点の跳躍──そしてたまに、自分自身。精度はいつも道の途中。  

2025-07-27から1日間の記事一覧

#459 なぜ女性だけが並ぶのか──見過ごされてきたトイレの不平等

花火大会、バス旅行、万博。どのイベントにも、人が集まれば必ず必要になるものがある。それがトイレだ。 でも、当たり前のようにそこにあるはずのトイレに、いつも並ばされるのは決まって女性だった。 バスツアーに参加したときのこと。車内アナウンスで「…

#458 ポニーテールが跳ねる午後──その一瞬に宿る、永遠

イオンに行ったら、子供たちでにぎわって いた。夏休みが始まり、どこか 楽しげな雰囲気が漂っている。幼稚園や小学校の低学年くらいの、ちいさな命たちが、ママやパパと手をつないで歩いていた。 なかでも、ママと手をつないだ女の子の長いポニーテールが、…

#457【第1話 インゲンさん】インゲンさん、わーい!囲いがきたよ💚

きのうの夜から、ずっとあめ。ぼくたち、ちょっとぐらっとしてきたんだ。3センチ、4センチの さやの赤ちゃんがどんどんふえて、ちょっと重くなってきたの。だから、からだが すこし かたむいちゃって……「どうしよう……また雨☔、ふるんだって」「ねえ、たおれ…

#456 クリアなのに白い? ふしぎなニスとビー玉のひみつ

うちにある木の台が、ところどころ少しはがれてきたり、古くなった感じがしてきた。ふだんよく使っている場所だし、なんとなく「きれいにしてみようかな」と思って、Amazonで見つけた「つや消しウレタンニス」というものをぬってみることにした。 このニスに…

#455 攻めて、引く。語りすぎないことで空気をつくる──『ReHacQ(リハック)』に見る高橋弘樹の美学

YouTube番組『ReHacQ(リハック)』を見ていて、いつも思うことがある。あの、言葉にできないような独特の空気感──あなたも感じたことがないだろうか? それは、高橋弘樹さんという演出家がつくり出している「攻めと引き」の空気、そして「余白」の美しさだ。…

#454🤲 会釈とお辞儀──似ているようで、すこし違う

朝、畑で草むしりをしていたときのこと。いつも同じ時間に通る、年配の女性がとことこと歩いてきた。腰を少し曲げて、後ろ手に手を組みながら──まるで、自分自身が散歩しているような歩き方だった。 でも、よく見ると小さな犬がひもにつながれて、後ろからつ…

#453🌱 後ろ手の会釈──昭和の空気が染みる朝

雨上がりの庭で草を取っていた。ぬれた土は柔らかくて、根ごと抜けるのが気持ちいい。雑草はいつの間にかすぐ生えてくる。つるなしいんげんが倒れていたので、棒を立てて軽く結んでいた。 そのときだった。いつもの時間、あの女性がゆっくりと歩いてきた。80…

#452「暮らしを楽にします」の罠──給付金も減税も、ただの“横流し”だったと気づいた日

減税とか給付金って、正直うれしい。「ガソリンが安くなります」「消費税を下げます」「現金3万円配ります!」そんな言葉を見ると、ちょっとホッとするし、「あ、今回は暮らしが少し楽になるかも」って思ってしまう。 今回の2025年7月の参議院選挙でも、そん…

#451 LINEの「たった数行」に隠された、思いやりと共感の循環を読み解く

LINEの返信というのは、いつもちょっとだけドキドキするものだ。こちらの思いは、ちゃんと伝わったのか。相手はどう受け取ったのか。思いがけない一言に、えっ?と戸惑った経験がある人も、多いかもしれない。 とても暑い日が続いていたある日、私は、少し久…

#450🫛🌧雨がふったら、ちょっと近づけた──枝豆といんげんの午後

「……降ってきたね」「うん。やっと、だね」 ぼくは、ソウタ。枝豆の苗となりの、くるりと伸びたツルの子が、ミドリちゃん。いんげん ずっと暑かった。乾いた空気が重くて、土のなかまでも焦げそうだった☀️ でも今日は違った。朝から空が静かで、風がやわらか…