忍者通訳の記録帖

気配の通訳・翻訳所。空気、沈黙、すれ違い、視点の跳躍──そしてたまに、自分自身。精度はいつも道の途中。  

2025-12-29から1日間の記事一覧

#1281●無重力の人 ○

私は、いつも少し浮いている。 宙に浮くというより、 重力がかかるべきところに、かかっていない感じがする。 ● 職場でも、病院でも、 本来なら「役割」で区切られているはずの場所で、 なぜか人は、私に個人的なことを話し始める。 △ 店長は、 「自分は管理…

#1280 🌙若さという光の強さ

その場所は、電気屋の売り場だった。 🏬私は販売員で、彼は指示を出す立場の人だった。年は、ずいぶん離れていた。彼は、 若かった商品の細かい機能について、私は彼に質問した。彼は、一つひとつ、とても丁寧に説明してくれた。言葉を選びながら、私の質問に…

#1279🕰️壊さない人の話

その人は、決められた時間に起き、決められた場所へ行き、決められたことを、 決められた順番でやる人だった。大きな声を出すことはなかった。誰かに強く意見することもなかった。自分から新しいやり方を言い出すことも、ほとんどなかった。でも、言われたこ…

#1278🍓へこんでいる棚の魔力

スーパーのプリン売り場に、いつも少しだけ不思議な風景がある。三種類のプリン。いちご。みかん。それから、お芋。みかんは、ほどよく減っている。お芋は、ほとんど減っていない。そして、あまおう苺だけが――いつ行っても、へこんでいる。一個か、二個。あ…

#1277🧹大掃除をしないという方法

私は、大掃除をしない。 年末になったから、とか、区切りがいいから、という理由で家を一気に片づけることは、あまりない。 代わりに、なんとなく、ちょこちょこやる。 今日はここだけ。気づいたから、ついでに。ちょっとだけやって、嫌になったらやめる。…

#1276🌫️交差点

人生は、たぶんずっと交差点の連続だ。憎しみ合うわけでもなく、特別に愛し合うわけでもなく、ただ、一瞬だけ同じ場所に立つ。信号が変わる。誰かは直進し、誰かは右に曲がり、誰かは立ち止まる。もう二度と、同じ角度では会わない。長く続いたように見える…